書店に行くと、コミックスのコーナーが一角を占めている。コミックスとは雑誌に掲載された作品を再録した二次利用作品だ。でもマンガといえば、コミックスのことだと思っている人も多いだろう。だが、作品としてのマンガを論じるときは、初出の雑誌媒体を扱うのが常だった。本書『「コミックス」のメディア史』(青弓社)は、コミックスという「モノ」から戦後のマンガ史をたどった労作だ。 コミックス誕生までの歴史 著者の山森宙史さんは、1987年生まれ。四国学院大学社会学部助教。専攻は社会学、メディア史研究、サブカルチャー研究。本書は関西学院大学大学院社会学研究科に提出した博士論文に大幅な加筆と修正を加えたものだ。版元の青弓社は、こうした論文を見つけて、単行本にするのがうまい。BOOKウォッチでもいくつか紹介してきた。 もとは学術論文だが、扱っているのがマンガということもあり、叙述は平易で、評者は「あれも読んだ、これ
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