一般人から映像を集めて製作されたドキュメンタリー映画「首相官邸の前で」では、マスメディアに報道されてこなかった原発再稼働反対デモに集まる人々の様子を映し出す。監督を務めた歴史社会学者の小熊英二さんは、メディアの報道の仕方について「枠にはまりすぎている」と疑問を投げかける。(聞き手・オルタナS副編集長=池田 真隆) ――日本では、反戦運動や毛皮反対、労働問題など、さまざまな問題を訴える市民活動はあります。再稼動反対デモを見て、映画化しようと突き動かされたものは何でしょうか。 小熊:それは、当時見たものが、あまりにも素晴らしかったから。それを言葉に表せないから映像化しました。 ――「素晴らしい」というのは、異なる世代が集まってきていることでしょうか。 小熊:私が素晴らしいと思ったのは、そういう言葉では表せない、人間の持っている真摯さです。私が映画の編集にあたって重視したのは、当時自分が感じた真
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