※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています 「竜とそばかすの姫」を見た後、はらわたが煮えくりかえっていた。 仮想テクノロジーによる没入型SNSという「サマーウォーズ」のアップデート、家庭内、社会内で孤立する若者を描いた「おおかみこどもの雨と雪」の延長線、何より「時をかける少女」との演出的な相似性。これまで氏の作品を見続けてきた者として、本作を総決算として見るのは非常に容易だ。むしろ細田守監督もそのつもりで本作に向き合っているのだろう。 結果、本作は市場が求めていた細田映画の再来として好調なスタート。細田史上最大のヒット作になるとの予想も出ている状態だ。だがそれと同時に逆の集大成――すなわち、過去作でも度々言及されてきた細田作品の負の側面、すなわち「社会システムへの根本的な不信」、それを原因とする「脚本の致命的な欠陥」。加えて結果として出力されたものが受け手側に示す「歪んだメッ
細田守監督の『竜とそばかすの姫』が3週連続で興行ランキング首位を獲得した。細田作品の中でも、とりわけ壮大なヴィジュアルや、これまでにない歌唱シーンなどが話題を呼び、現在も好調に成績を伸ばしている。 だが本作は同時に、少なくない観客が違和感を表明している作品でもある。ここでは、その“違和感”とは何なのか、そして、その奥に潜むものの正体を考えていきたい。 本作の主人公は、高知県の田舎町に住んでいる、17歳の女子高生、内藤鈴(すず)。彼女は友人に招待されて、世界中の人々が利用する仮想世界“U”にアクセスする。現実では平凡な鈴だが、“U”の中では、まるでお姫様のような姿となり、幼少期に母を亡くしてから出せなくなった歌声を披露できるようになるのだった。彼女は秀でた歌唱力でカリスマ的な人気を獲得。鈴は、“Belle(ベル)”として、正体を知られぬまま世界的なアーティストになっていく……。 主人公の鈴/
毎回、賛否両論の映画監督。 細田守監督の最新作『竜とそばかすの姫』が興行的に好調のようだ。初日から大入りで始まり、いままでの細田映画で最大の興行成績を記録することはほぼ確実と見られている。 映画は興行成績がすべてではないが、もちろんヒットするに越したことはない。日本のアニメ映画全体のためにも、歓ぶべき快挙というべきだろう。 ぼくは先日、青春恋愛映画の秀作『サイダーのように言葉が湧き上がる』を観てきたが、こちらはほとんど客が入っていなかった。映画の入り不入りは内容の良し悪しとはべつだとしかいいようがない。 小説 サイダーのように言葉が湧き上がる (角川文庫) created by Rinker Kindleで探す Amazonで探す 楽天市場で探す Yahooショッピングで探す あらためて映画がヒットすることのむずかしさを感じ入ったしだいである。 そういうわけで過去最高の興収を確実視されてい
>>>『竜とそばかすの姫』画像を全て見る(13点) 『竜とそばかすの姫』は劇場公開からわずか3日間で、動員数60万人、興行収入8億9000万円に到達する大ヒットを遂げた。 まず、本作は絶対に映画館の大スクリーンで観る価値がある。ネット空間の仮想世界〈U〉の広大さ、ダイナミックなアニメの表現、エモーショナルに炸裂する煌びやかな演出など、細田守監督およびスタジオ地図はもちろん、『ウルフウォーカー』(20)のトム・ムーアやロス・スチュアートなど、国内外の一流クリエイターが集結したからこそのアニメーションの力を思い知らされた。世界中で人気になることに説得力を持たせた楽曲と、中村佳穂の歌唱力も圧巻の一言。そのクオリティを世界最高峰と認めるのはやぶさかではない。 だが、細田守監督は国民的なアニメ映画監督となった一方で、作品には極端なまでの賛否両論が渦巻く作家でもある。今回の『竜とそばかすの姫』は「細田
それはむかしむかしのお話です。あるところに少女を革命する物語を演出したり電脳世界でモンスターを描くことで有名になった作家がおりました。作家はその巧みな演出力により、夏を舞台とした物語で評判を呼び、国を代表する作家の後継者と呼ばれました。 やがて作家はたくさんの人が関わる大きな物語にかかわるようになります。しかし国を代表する作家を引き継ぐ等と煽られ、本当の姿を覆い隠す野獣へと変貌していきました。 野獣となってから生み出した物語は、どれも表向きは豪華で明るい物語です。しかし多くの人が関わって語られることで、明らかに彼自身の本音が覆い隠されてしまいました。これまで野獣を支えていた脚本家もいなくなり、野獣自身が物語を書くようになってから、どんどん登場人物たちの性格や行動が破綻していくようになります。 これではいけないと思ったのでしょう。野獣は状況を変えるためか、歌の優れた美女のこと聞きつけます。彼
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