先日、大阪府にある私立・四條畷学園小学校の特色ある美術教育について取材してきました。 * * * 自身の過去を振り返ってみても、学校での図工や美術の授業が役立ったと思った瞬間はない。職人的、あるいはクリエティブな分野の仕事をするのでなければ、図工や美術で学んだことはほとんど役立たない、とも思っていた。だが、結果から言うと、そんな先入観は覆された。四條畷学園小で40年以上受け継がれてきた伝統の美術教育は、今まさに社会が求める「主体性」を軸に据えたものだった。 同校の美術教育の最大の特色は、「することを自分で決める」ところにある。自分ですることを決めて、PDCAサイクルを回していく。くじけそうになっても、あきらめずに最後までやり通すーー。誰の人生にも通ずる普遍的なテーマと向き合う習慣を、子ども時代に身につけられる恩恵はどれほどのものだろう。 この美術教育は、40年前、ひとりの先生の信念からはじ