経済協力開発機構(OECD)が国際化、労働市場の変化などに対応するため、日本は大学改革をさらに進めるべきだとする報告書をまとめた。英リバプール大学のハワード・ニュービー副学長ら欧米の専門家5人が、文部科学省の資料や2006年5月の訪日調査をもとに執筆した。 04年の国立大学の法人化に伴い、日本の高等教育はどう変わったか――。報告書は、この点に焦点を当てて現状を批判的に検討している。 報告書はまず、大学の自立性は高まったが、定員や授業料、学部・学科の再編については、文科省がまだ実質的な権限を維持していると分析。特に文科省が標準額を設定して授業料を抑える現行の仕組みを批判して、自由化を提案した。 その理由については、主要な国立大学には裕福な家庭の子弟が多く、卒業生の収入も多いと指摘。学科の違いや、教育にかかるコストを考慮して授業料を値上げすれば、大学は経営基盤を強化できるとしている。 授業料の