ルーペをのぞくと、こちらをじっと見つめる「目」が……。これは1914年当時、メキシコの鉄道の要衝だったサカテカスの街並みをとらえた一枚。「目」はめがね屋の看板だ。 写真が撮影されたのは、独裁政権打倒のために始まったメキシコ革命の真っただ中。革命派のリーダー、パンチョ・ビリャ率いる部隊が、大統領ビクトリアーノ・ウエルタの連邦軍から、この町を奪い取った直後のことだ。一連の衝突のなかでも数多くの犠牲者を出した「サカテカスの戦い」では、およそ7000人が死亡、数千人が負傷した。 ナショナル ジオグラフィック英語版では、1916年7月号でメキシコを大特集している。この写真はそのために入手された可能性があるが、掲載には至らなかった。写真の裏には、「最新の戦場写真」と記されている。とはいえ、ここには戦争の状況を伝えるものはほとんど写っていない。関連がありそうなものといえば、ひつぎをかついで歩いている男性
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