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「大昔物々交換があり、その不便さを解消すべく、商品の中から変質しにくい金属などが選ばれてマネーとなった。」 この一般人のみならず、経済学者にも堅固に信じられている「標準貨幣論」に対して、人類学などの分野からは異も出ているようです。 こうした人類学などの知見も踏まえた新しい貨幣観を見せてくれる、フェリックス・マーティンの「21世紀の貨幣論」には標準貨幣論とは全くことなるマネー観があります。 この本に出てくるヤップ島のフェイの話も私が要約すると、味わいが失われてしまいますので、第1章の一部を転載して紹介させていただきます。 ヤップ島の石貨「フェイ」 1899年、スペインはヤップ島を330万ドルでドイツに売却した。 ヤップ島のドイツ帝国への併合には、ある大きな成果があった。若く、才気にあふれ、冒険好きな一風変わったアメリカ人、ウィリアム・へンリー・ファーネス3世がヤップ島を訪れ、歴史的に見てきわ
みなさんは、貨幣というものを理解し、それを扱うことができる存在は人間に限られると思っていないだろうか。動物の中には、自分の縄張りなどを「所有する」という意識を持つ種も確かにあるものの、それを何かと交換したり、好みのものを得るために貨幣を使用するはずなどないと考えられてきた。 「経済学の父」とも呼ばれるアダム・スミスも、「ある犬がほかの犬と、公平で計画的に骨の交換をしているところなど誰も目撃したことはないだろう」と語っており、貨幣を用いた交換を行うことができるのは人間だけであると確信していた。 しかし、New York Times紙によって2005年6月に報じられた研究を見る限り、その常識はもはや通用しなくなっている可能性がある。イェール大学の経済学者であるキース・チェン氏と、心理学者のローリー・サントス氏のコンビが、イェール=ニュー・ヘブン病院で行った研究を紹介しよう。彼らが行った実験とそ
1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『1940年体制―さらば戦時経済』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』『仮想通貨革命』『ブロックチェーン革命』など。近著に『中国が世界を攪乱する』『経験なき経済危機』『書くことについて』『リープフロッグ 逆転勝ちの経済学』『「超」英語独学法』などがある。野口悠紀雄ホームページ ------------最新経済データがすぐわかる!-------
久々にBitcoinに興味をもったのはWebSig1日学校2013の基調講演を引き受けた際に紹介しようと思ったのが契機だった。講演の数日前に会社へいく道すがらBBC World NewsのPodcastを聞いていたらFBIによる闇オークションSilk Road摘発の報道で、日本人の中本哲史が開発した電子貨幣として紹介されていた。調べ直して流通量が10億ドルを超えていることや、この数ヶ月の乱高下を知って驚いた。 正直白状すると初めてBitcoinのことを知った時、興味深いがここまで世界で流行るとは思わなかった。1990年代後半から電子貨幣に興味を持ち、MOJO NationやLETSの試みに注目したが広がりをみせず、その後のSecondLifeで流通したLinden Dollarsや、数多あるゲーム通貨のRMTと似たような流行に終わるのではないかと諦めていたからだ。ところがBitcoinは今
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(2013年4月15日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 欧州中央銀行(ECB)の調査によれば、欧州北部の世帯の純資産は欧州南部の世帯のそれよりもはるかに少ない。 ドイツでは1世帯が保有する純資産の平均値が20万ユーロを少し下回るが、スペインのそれは30万ユーロで、キプロスのそれは67万ユーロなのだという。これらの数字はタイプミスではない。 貧しいドイツ人が裕福なキプロス人を救済している? 同じユーロのはずなのに・・・〔AFPBB News〕 これを知ったドイツの新聞各紙は、貧しいドイツ人が裕福なキプロス人を救済していると書き立てた。この解釈は間違っているが、直観に反するこうした数字の背後にある真実はそれ以上に不穏だ。 この調査で明らかになったのは、純資産に差があることではなく、ユーロ加盟国間に事実上の為替レートがあるということだ。これらの数字は純資産ではなく、不均衡の度合いを示しているの
電子マネーの普及などを背景に国内での貨幣の製造量が大きく落ち込むなか、大阪にある造幣局が、バングラデシュから硬貨の製造を受注する見通しになりました。 造幣局が海外の一般貨幣を製造するのは戦後、初めてのことです。 造幣局が受注する見通しになったのは、バングラデシュの「2タカ」硬貨、5億枚の製造です。 2タカ硬貨は、ステンレス製で日本円でおよそ2円に当たります。関係者によりますと、造幣局は、ことし7月、バングラデシュの中央銀行が実施した入札に参加した結果、これまでに受注が内定したとバングラデシュ側から連絡がありました。 入札には、イギリスやドイツなど5か国が参加しましたが、日本の造幣局の入札価格が最も安く、世界トップクラスの鋳造技術も評価されたということです。 造幣局は、これまで海外の記念硬貨を製造したことはありますが、一般の貨幣を製造するのは戦後、初めてです。 造幣局は近く、バングラデシュ中
ニコニコ動画の人気タグに「ミリしら」というものがある。1ミリも知らないという意味で、歌ってみた動画なんかについている。ようするに原曲をまったく聞いたことないけど歌ってみたとかいう意味だ。なにしろ元々の歌い方をしらないので無茶苦茶な歌い方だったり、意外とまともだったりしてどきどきして面白い。 ネットの言い争いにも「ミリしら」は、昔からよく見る光景だ。なにも知らないのに自分の極端な意見を主張したり、逆に他人のちゃんとした主張を思い込みで決めつけて批判するひとたちだ。でも、なぜか、わざわざ自分から「ミリしら」と名乗り出るような文化はないようで、ちょっとさみしい。ということで、今回の記事は堂々と「ミリしら」と主張しながら、なにかを批判してみるという実験だ。題材は最近よく単語を目にすることが多い「評価経済」を選んでみた。 なにしろ「ミリしら」だから、これからは評価経済の時代だといっているひとたちが、
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