4500年以上前にドイツ中部で埋葬された男性の人骨。この後、東欧から移住した考えられる集団とは、共通の祖先を持たないことがわかった。(PHOTOGRAPH BY JURAJ LIPTAK, LDA SACHSEN-ANHALT) ヨーロッパ大陸全域で話されている言語のルーツはどこにあるのか。このほど行われたDNA分析で、約4500年前、現在のロシアとウクライナにまたがる草原地帯から移動してきた牧畜民が使った言語がルーツとする説が発表された。 長く狩猟採集が続いた先史時代のヨーロッパで、農耕が始まったことは画期的な出来事と位置付けられている。ヨーロッパでの農耕は、東方の農耕する集団がヨーロッパへ移動したことから始まったとされる。 ところが2015年3月2日、科学誌「ネイチャー」に、ヨーロッパへの集団の大移動は1度だけではなく、2度あったとする研究論文が発表された。この説では、最初の集団の移動