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ブックマーク / katukawa.com (10)

  • クロマグロ漁業の3つの問題点 - 勝川俊雄公式サイト

    現在、国内外で関心が高まっている太平洋クロマグロの現状について整理してみよう。 このエントリで用いる図はすべて、WCPFCのISCレポートからの引用である。 http://isc.ac.affrc.go.jp/pdf/2014_Intercessional/Annex4_Pacific%20Bluefin%20Assmt%20Report%202014-%20June1-Final-Posting.pdfが主人公 太平洋クロマグロは、長距離の回遊をする高度回遊性魚類の代表である。しかし、その産卵場および主な生息域は日のEEZにあり、漁獲および消費の大半は日人によるものである。「ほぼ日の水産資源」といってもよいだろう。 日の次に漁獲が多いのはメキシコ。東太平洋に餌を求めて回遊した10~20kgぐらいの未成魚を捕まえて、餌を与えて太らせて、日に出荷している。それ以外の国、韓国

    クロマグロ漁業の3つの問題点 - 勝川俊雄公式サイト
  • 日本メディアはIUCNのウナギレッドリスト掲載をどう報じたか - 勝川俊雄公式サイト

    日経新聞 2014/6/12 21:53 ニホンウナギ、外・小売りに波紋 絶滅危惧種に http://www.nikkei.com/article/DGXNASDZ120HQ_S4A610C1TI0000/ 世界の科学者で組織する国際自然保護連合(IUCN、スイス)が、絶滅の恐れがある野生動物を指定する「レッドリスト」にニホンウナギを加えた波紋が、外業者などの間で広がっている。野生動物の国際取引を規制するワシントン条約が保護対策の参考にしており、将来、輸入が制限される可能性がある。ここ数年、卸値の上昇で消費者離れが進んでおり、一段の高値を招きかねない決定に困惑している。 資源の問題には触れず、規制のせいで市場が縮小し、業者が困惑しているという内容。ウナギ市場の縮小というグラフがあるが、日のウナギ市場が縮小しているのは規制をしているからでは無く、無規制に獲ってべてきたから資源が無くな

  • ウナギを食べ続けたいなら、ワシントン条約を歓迎すべきである - 勝川俊雄公式サイト

    ニホンウナギがIUCNの絶滅危惧種に指定されて、ワシントン条約で規制される可能性が高まってきた。日のメディアは、「ウナギの値段が高くなる」と危機感を煽っているのだが、当にそうだろうか。そもそもウナギが高くなったのは、十分な規制が無いまま漁獲が拡大し、日人がべ尽くしてしまったからである。つまり、無規制の結果なのだ。無規制の状態が今後も続けば、漁獲は更に減少し、値段は高くなるだろう。もし、ウナギ資源・文化の存続には、何らかの規制が必要なのは明白である。 ワシントン条約でウナギがべられなくなるのか? ワシントン条約には、付属書I、II、IIIがある。 付属書Iは当に危機的な状況にある種(ジャイアントパンダやゴリラなど)を守るための枠組みで、学術目的以外の輸出入は原則禁止。ということで、ここにカテゴライズされると、輸入ウナギはべられなくなるだろう。しかし、ニホンウナギがいきなり付属

  • 6年ぶりに「資源管理のあり方検討会」が開催されております。でもって、俺が委員です。 - 勝川俊雄公式サイト

    前回の記事で紹介した会議は平成20年なので6年も前の話です。「資源管理のあり方検討会」というのが、今年の3月から開かれています。何の風の吹き回しか解らないのですが、水産庁から委員になって欲しいという依頼がありました。「資源管理をやることを前提に、前向きに議論をしたい」という話だったので、委員を引き受けました。 資源管理のあり方検討会 概要 水産資源の適切な保存管理は、国民に対する水産物の安定供給の確保や水産業の健全な発展の基盤となる極めて重要なものです。 しかし、かつて1千万トンを超える水準にあった我が国の漁業生産は、現在は500万トンを下回る水準となっています。こうした状況の中で、水産日の復活を果たすためには、世界三大漁場と言われる恵まれた漁場環境を活かしながら、水産資源の適切な管理を通じて、水産資源の回復と漁業生産量の維持増大を実現することが喫緊の課題となっています。 このため、現在

    6年ぶりに「資源管理のあり方検討会」が開催されております。でもって、俺が委員です。 - 勝川俊雄公式サイト
  • 日本は、なぜ乱獲を放置し続けるのか?水産庁の言い分を検証 - 勝川俊雄公式サイト

    当ブログでは、漁獲規制の不備によって、日の漁業が衰退していることを繰り返し指摘してきた。多くの読者から、「なんで水産庁は規制をしないのか?」という疑問の声が上がっている。その疑問に対する水産庁の言い分を紹介しよう。 水産庁が資源管理をしない理由をまとめた背景 2007年に安倍内閣によって設置された内閣府の規制改革会議では、経済重視の観点から様々な規制が議論された。水産分野においては、無駄な規制を取り除くというよりも、漁業が産業として成り立つために必要な漁獲規制を要請する内容であった。 規制改革推進のための第3次答申-規制の集中改革プログラム-(平成20年7月2日) 詳しい内容は上のPDFのP60から先に書いてある。 水産業分野についても、農業・林業分野と同様、就業者数の減少や高齢化が進んでいる状況にあるが、それ以前に、水産資源の状態が極めて悪化しており、それ故、生産、加工、流通、販売、消

  • 勝川俊雄公式サイト - シラスウナギの豊漁報道の異常性

    去年は、シラスウナギの不漁が社会的な問題になりました。今年は一転して、楽観的な報道が相次いでいます。 「ウナギ稚魚価格、昨年の4分の1 漁獲量が大幅増」(日経新聞 2/4) 「シラスウナギ豊漁の気配 うな重お手ごろはまだ先?」(中日新聞1/31) 「シラスウナギ漁回復の兆し」(読売新聞 2/23) ウナギ稚魚「やっと正常」…豊漁で値下がり期待(読売新聞 3/1) http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20140301-OYT1T00709.htm これらの報道に対する読者のリアクションは、おおむね好意的 嬉しいなあ~~!\(^^)/ 値上げを我慢してくれた鰻屋さんにも感謝。 うなぎ好きにとってはうれしいニュース! 是非値下がりして欲しい、『うなぎをがっつりべたい!!』ですヽ(;´Д`)ノー 一部で心配をする声もありました。 これを機に増やさないと絶

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  • 日本のウナギ根絶作戦が、ついに最終段階 - 勝川俊雄公式サイト

    ジャワうなぎ、日へ 「世界最後の稚魚市場」から 東アジアでの激減背景に  (2013年04月20日) 東アジアでウナギ稚魚の不漁が続く中、ウナギ養殖のインダスト(熊県玉名市)が、「ジャワうなぎ」の日輸出を目指して奮闘している。西ジャワで養殖を始めて7年目。成果は実りつつあるが、日人の口に合うウナギの育成が今後の課題だ。 中川勝也社長はインドネシアを「世界で最後の稚魚市場」と表現する。同社によると、世界で確認されているウナギの仲間18種のうち、7種が生息するインドネシア近海がウナギ発祥の地だと考えられており、稚魚は豊富だという。 ウナギの漁獲量が激減する日での需要は大きい。日のコンビニや流通業者から「早く届けてほしい」との要望が日に日に強くなっているという。 http://www.jakartashimbun.com/free/detail/10643.html 1960年代から

  • 東シナ海 漁場 乱獲の歴史、中国の乱獲を一方的に非難するNHKクローズアップ現代 - 勝川俊雄 公式サイト

    昨日のクローズアップ現代(国境の海で魚が消える ~追跡 中国虎網漁船~)を録画で見ました。内容はこんな感じ。 豊かな資源を求めて、東シナ海に押し寄せる中国漁船。 漁場を追われ急速に衰退する日漁業。 漁船が担ってきた国境の監視機能も低下しています。 日は日中共同水域の資源管理を中国に呼びかけたが、中国から拒否されている。 漁業の衰退で中国漁船が国境の中に入りやすくなっている。 中国が虎網というむちゃくちゃな漁法で乱獲をしまくっているので、日の漁師さんたちが困っているというお話です。中国の虎網漁船を取り締まる水産庁の監視船の乗組員は、「我が国の水産資源を責任もって守る」と熱く語っていました。 NHKのサイトでクローズアップ現代の全文文字おこしがあります。見逃したかたは、こちらをどうぞ。 http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3329_al

  • 資源回復計画が予想通り破たんして、青森県のイカナゴが禁漁となった - 勝川俊雄公式サイト

    青森県でイカナゴが禁漁となった。この背景について、考えてみよう。 毎日新聞: イカナゴ:全面禁漁へ 春の味覚、乱獲で激減 陸奥湾6漁協、特定魚では初 /青森 陸奥湾でとれる春の味覚「イカナゴ(コウナゴ)」が乱獲などで激減していることを受け、県と湾内6漁協は今春から、全面禁漁することで合意した。当面、禁漁期間は定めないまま資源量の回復を待つ。 昨年の湾内の資源量は1000万匹以下とみられ、県は3億匹まで回復させることを目指す。 湾内でのイカナゴの漁獲量は73年の約1万1745トンをピークに減少が続き、昨年は約1トンまで落ち込んだ。漁獲金額も77年の約11億円から昨年は約40万円に減っている。海水温の低下でイカナゴが育ちにくくなったことや乱獲が原因とみられる。 http://mainichi.jp/area/aomori/news/20130214ddlk02040018000c.html

  • 産経新聞にツッコミを入れつつ、まぐろ養殖業について、まじめに語ってみた - 勝川俊雄公式サイト

    「近大マグロ」庶民の味になるか 天然と遜色なし「ほとんど区別がつきません」 産経新聞 12月23日(日)12時0分配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121223-00000513-san-bus_all 養殖業を否定する気は無いし、マグロ養殖が持続的な産業として、発展してほしいと思っている。マグロ養殖業の現状について、正しく知ってもらうために、情報を整理してみよう。 1)タイトルと記事の内容が一致していない 「庶民の味になるか」というタイトルなのに、文には、安くなる要素が示されていない。むしろ、高止まりするという内容ばかり。産経新聞的にはどっちだと言いたいのだろうか。 ブランドの知名度も上がっており、意外と高値のままかもしれない!? 脂の乗り具合もきわめて良いことから高級」とされ、高値で取引される。 業界関係者は「有名になってきたことで取引が活

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