出井伸之氏との面談 Steve Jobs氏の訃報を聞いて以来いろいろなことが頭をよぎるのだが、その一つがソニーの出井伸之氏に私がAppleの買収を勧めたときのことである。 私がUIEvolutionのCEO(最高経営責任者)をしていたのは、設立した2000年からスクウェア・エニックスに買収された2004年までの4年間。その期間に日米ビジネス界のさまざまな人と会う機会があったが、最も印象的だったビジネスマンの一人が、当時ソニーのCEOだった出井氏である。 当時(2002年)は本業のエレクトロニクス事業が低迷しはじめ、PlayStationビジネスからの収益が会社を支えているという状況であった。外から見ていても、各機器に搭載されているOSがPlayStationは独自OS、PCはWindows、PDAはPalm OS、携帯電話はSymbianという状況はソフトウェア戦略の欠如を意味していたし、