06 昨年、ニューヨークのショップに取材をしていたときに、店の人が「最近、よく『この商品はエシカルですか?』と聞かれるの」と教えてくれた。“ethical”という言葉は日本語にすると、倫理的、ということである。けれども、何をもってして倫理的というのだろうか。 「具体的にはどういうことを気にするの?」と聞いてみると、「たとえば素材の生産過程で動物が虐待されていないか、労働環境が劣悪でない工場で縫製されているか」ということだった。要は、破壊行為に加担したくないということなのだろう。 どうやらエシカル、という言葉は、サステイナブル(持続可能)という概念の延長線上にあるようだ。「持続可能性」という言葉が叫ばれるようになって久しいが、ようやくそのコンセプトが急務として認識されつつあるようになってきた感がある。持続可能性が謳われる背景には、このままの勢いで破壊的な消費路線を進み続けると持続できない状態