スマートフォンでサイトやアプリを開くと、性的な描写のある漫画や容姿のコンプレックスをあおる化粧品などのインターネット広告が目に飛び込んでくることがある。民間の自主規制機関・日本広告審査機構(JARO)には「気持ち悪い」「不快だ」といった苦情が相次いでおり、大手IT企業でも不適切な広告の配信を制限する動きが出ている。こうしたネット広告が消えない事情を探った。 育児ブログに裸の男女 2歳の長男と暮らす東京都内の女性(31)は2022年11月中旬、2カ月前に開設したばかりの自身のブログをスマホで見て驚いた。子育ての話題が中心で、長男が走ったりジャンプしたりできるようになった成長の喜びをつづってきた。そんな内容の投稿と一緒に視界に入ってきたのは、裸の男女が描かれた漫画の広告だった。 感想などを書き込むためのコメント欄には、読者から「子育てのブログなのに、なぜ性的な広告を出すのか」という指摘があった