SNSなどで「境界知能」という用語がたびたび使われている。これはどういう言葉なのだろうか。昭和大学発達障害医療研究所の太田晴久所長は「精神医療のなかでは境界知能は困っている当事者を支援するための言葉で、SNSでの使われ方には違和感がある」という。ジャーナリストの末並俊司さんがリポートする――。

「ことばと心の謎」に迫る研究のきっかけ ある日、町の乳幼児健診から帰ってきた心理士の妻が、ビールを飲みながら「自閉症の子どもって津軽弁しゃべんねっきゃ(話さないよねぇ)」と言ってきました。 障害児心理を研究する私は、「それは自閉症(自閉スペクトラム症:ASD)の独特の話し方のせいだよ」と初めは静かに説明してやりました。しかし妻は、話し方とかではなく方言を話さないのだと譲りません。 やり取りするうちに喧嘩になり2、3日は口を利いてくれませんでした。こちらも長年、その道の研究職であるつもりでしたから、たとえ妻でもこんな意見は聞き捨てならず引くに引けません。 「じゃあ、ちゃんと調べてやる」 これが思いがけずその後十数年にもわたる「ことばと心の謎」に迫る研究のきっかけだったのです。 私は軽い気持ちで、知り合いの特別支援学校の先生方にこの話をしてみました。するとなんと妻の発言を支持する意見ばかりが寄
2019年に行われた顧客ロイヤルティスコア調査で、スタバはコメダ珈琲店、ドトールコーヒーに敗北を喫し、最下位となりました。上質なコーヒーと接客で情緒的価値の最大化に成功したブランドに対して、顧客からの不満が高まった理由とは。獨協大学経営学科の岡部康弘教授が解説します――。 顧客ロイヤルティスコアが最下位に スターバックスは、新型コロナウイルス感染症の拡大影響に伴い、店舗の休業・営業時間の短縮を実施したことにより2020年は大幅な減収となりました。それでも依然として売上高、店舗数ともに断トツの1位で、日本の数あるコーヒーチェーンの中で圧倒的な人気を誇っています。 一方で、課題もあります。2019年にエモーションテックの今西良光氏が行ったコーヒーチェーン大手3社のNPS(顧客ロイヤルティスコア)調査では、コメダ珈琲店、ドトールコーヒー、スターバックスという順で最下位でした。評価項目では「コスト
「国民を守れる国」は何が違うのか 事態の悪化に先んじる迅速な決定、次々と打ち出される合理的できめ細やかな措置。厳格な防疫態勢、マスクの配給システムや国民への積極的な情報公開、さらに中小企業やアーティストへの支援策まで、台湾の新型コロナウイルス禍への対応は今や世界的に評価されている。 それは単に台湾の人口が少なかったり、国土が小さかったり、たまたますごい人物が政権の中枢にいたからではない。「強い政府、機能する行政、国民を守れる国」の秘密は、台湾という国家の仕組みそれ自体にあった。日本とはどこが違うのか。今回の記事では、その本質に迫りたい。 「たまたま優れた人材がいたから」ではない 今回の対コロナ対応で、台湾が迅速に決定を下し、行政が有効に行動できたのは、もちろん蔡英文さい えいぶん総統、陳建仁ちん けんじん副総統、蘇貞昌そ ていしょう行政院長(首相)、陳時中ちん じちゅう衛生福利部長(厚労大
日本のお笑いは世界に通用する。ひとつの事例はテレビ番組『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』の名物企画「笑ってはいけない」シリーズ。ジミー大西さんのハチャメチャなやりとりにはどんな国の人も笑ってしまうという。オーストラリア出身の現役漫才師チャド・マレーンさんは、「本腰を入れて、日本のお笑いコンテンツを海外向けにつくれば、絶対にウケる」と主張する――。 ※本稿は、チャド・マレーン『世にも奇妙なニッポンのお笑い』(NHK出版新書)の第9話「日本のお笑いは世界に通じるか」を再構成したものです。 海外で巻き起こる『ガキ使』人気 僕は日本に来るまで、日本人はすごくまじめという印象しかありませんでした。おもろい国だという認識がまったくなかったので、実際に来てみて「なんじゃこれ? 日本人おもろいやんけ」というのがまず驚いたことです。日本人がすごくおもろいこと自体、おもろい。それほど意外だったのです。
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