2020年8月25日のブックマーク (1件)

  • 『窮鼠はチーズの夢を見る』は原作ファンも納得の出来 水城せとな作品のエッセンスがそこかしこに

    原作者の水城せとなは、真木ようこ主演で映画化された『脳内ポイズンベリー』(2015年)や、松潤主演でドラマ化された『失恋ショコラティエ』(2014年)でよく知られる漫画作家だが、流麗な言葉の存在がその作品の特徴の一つに挙げられる。『窮鼠』もまた例外ではなく、大伴の心の内のモノローグや交わされる対話など、紡がれる言葉のすべてが至言と言っても、決して言い過ぎなどではないだろう。しかし、映画は主人公の大伴の語りによって進めることはせず、あくまでも言葉ではなく映像でこの物語を描くことを選択している。たとえば、ファーストショットが大伴を後ろから見つめる今ヶ瀬の視点であったように、映画は大伴の一人称の物語だけに傾倒せず、今ヶ瀬の心象をもまた同時に映し出す。今ヶ瀬が大伴をいくつかの意味で「追い続けていた」ことを、映画は細やかな描写で綴っていく。大伴の脱いだ下着、飲みかけのお酒、乗っていた自転車……。今

    『窮鼠はチーズの夢を見る』は原作ファンも納得の出来 水城せとな作品のエッセンスがそこかしこに
    kanatan21
    kanatan21 2020/08/25