映画を見に行っていた息子が床に這いつくばって眠っている母親を発見。 「どうした、具合悪いのか」 「いや、違う。大したことないんだけど、起き上がって動く気になれないから、そのまま気持ちいんで寝てた」 「それを具合い悪いというんだ。人は」 そうか。 「なんか買ってきてやろうか」 熱を出して何か買ってきてやろうかと言われたのはいつ以来だ。不調な時こそそれを隠していたから、家族もピリピリどんよりしている私には近寄らないのがうち家庭のいつもの形だと思っていた。 いちごが食べたい。あとアイス。ゼリー。おっとっと。ポカリ。 本当はどうしても買ってきて欲しいものはない。 でも頼んでみたくなった。甘えたくなった。 甘えないと甘やかしてくれない。 甘やかして欲しいなら甘えないと。 どうしてこんな簡単なこと、わかんなかったのかなぁ。 迷惑かけよう。わがまま言おう。