セウォル号事故から1年、韓国社会の苦悩(上) 日本と韓国、「印象のずれ」 伊東順子 フリーライター・翻訳業 メディアが作る印象と現地在住者 「セウォル号沈没事故から1年ということで」と、原稿を頼まれたときはちょっと悩んだ。 この事故は日本のメディアにとってもいまだ大きな関心事項らしく、1周年にあたっても多数のスタッフが現地を訪れて取材をすると聞いていた。私などが、あえて書くことはあるのだろうか。現場海域にチャーター船まで出して取材できる大手メディア以上のことができるはずもなく、ならば自分の仕事に時間を使った方がいいのではないか、と思った。 とはいえ2014年、この事故が起きた直後、日本のメディアがあまりにも頓珍漢な報道を続けることに耐え切れず、勢いで書いたブログが身近な人々の間で話題になり、それがもとでこのWEBRONZAでも書くことになった。それを思うと、これを機会にここでもう少し発言し