司馬遼太郎さんの本はほとんど読んだことはない。職業軍人さんは大好きなんだがねえ、どうもお歯が合わない。昔、基地隊の副長(ヘリパイの2佐、頭髪は無いが悪い人ではなかった)に文書を持ってった時に「オマエも、もうチョット文章考えろ、昔のいい本を読め、司馬遼太郎とか」と言われたのだがね。 その司馬遼太郎さんの評で面白いものを見つけた。「アレは一人の英雄が世界を変えるお伽話である」というもの。大まじめに好きな本に挙げる商売人は多いが、むしろガンダムの方がリアルの社会を活写しているのではないかというもの。 やや古い『新潮45』に掲載された太田啓之さんの「ガンダムか司馬遼太郎か」がそれだ。富野さんのガンダムと司馬さんを比較し、前者を現実主義、後者を単純な英雄史観としている。そして、司馬さんとその読者にナルシズムを見つけ自ら司馬氏の想像した人物になぞらえるなどしているのを目にすると、ファーストガンダムのシ