日本における引きこもり問題は、家父長制に基づく家族主義的な社会保障制度によって生じていることを指摘しておきたい。 「引きこもり」が問題とされるのは、以下の2つにおいてである。 ①金の供給源がないこと ②居場所がないこと ※今回は①を取り上げる、②についてはアイデンティティの確立との関連で述べられるべきことであり、おいおい整理したい。 ●働けない者の面倒を国は家族に押し付ける 働けない者に対する経済的支援は国に先立ち家族がおこなわなければならないとされており(民法における扶養義務)、家族に扶養能力が認められると生活保護は支給されない。障害年金が受け取れなければ、社会保障の網の目から漏れて金の供給源がなくなってしまう。 厚生労働省による生活保護制度の説明にも以下のように記されている。 生活保護は世帯単位で行い、世帯員全員が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持