裁判所は、Aさんが仮に裕福な家庭に育っても「大学卒業の学歴を得ることができたかどうかは、必ずしも明らかでない」としながらも、慰謝料の額を3200万円と算出している。 この点に関して、『希望格差社会』などの著書がある中央大学文学部教授の山田昌弘氏は疑義を呈する。 「今回の判決は親の所得格差によって子供の教育が違って当然であり、親が貧乏なら子供に教育の機会がなくても仕方がないと言っているようなもの。お金持ちのほうが得なことがあるのは事実かもしれませんが、本来は親によって子供の教育に格差があること自体が問題なのです」