村の中心部。参院選公示後も今のところ、候補者が訪れる予定はないといい、選挙戦ムードは高まっていない=25日午後、占冠村役場前、上田幸一撮影 甚だ静かで平和な上流の場所――。アイヌ語の「シモカプ」から名前が付いた占冠(しむかっぷ)村は、北海道のほぼ中央に位置する。 面積は約571平方キロメートル。東京23区に近い広さだが四方を山に囲われ、森林が約94%を占める。人口はこの10年で500人ほど減った約1200人。65歳以上が4人に1人いる。 この地を国政選挙の候補者が訪れることはまれだ。参院選が公示された24日はいつものように静けさに包まれ、翌25日夜、候補者が乗っていない選挙カーが駆け抜けた。 そんな占冠村は、国政選挙で社民党の得票率が高く、道内で抜きんでている。 □ □ 村は名前の由来通り、平和に熱心とされる。1985年に「平和の村」を宣言。翌86年からは8月の「広島原爆の日」の平和記念