『攻殻機動隊』続編が『イノセンス』になった理由 (取材・文=梶山 寿子) ハリウッドで、ドリームワークスとの契約をまとめ上げた石川光久は、日本に戻り『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』の続編の制作に取りかかった。 CGを駆使した斬新な動き。実写と見分けがつかないような緻密な映像美…。そんな作品を完成させるには、想像を超える時間と労力が必要である。およそ2年半続いた制作現場は、まるで地獄のようだったという。 だが、血のにじむような苦労をしたのは現場だけではない。 石川が言う。 「『作るのが大変でしたね』ってみんなに言われるけど、本当に大変なのは、作ることではなくて契約関係。頭がいい人なら、こんな企画には絶対に手を出さない。のちのちどれだけ面倒くさいことになるか想像がつくもん」 おそらく、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーに協力を仰いだことが、運命の分かれ道と