妹の長女、つまり私の姪に半年ぶりくらいに会うことになった。姪は一歳とちょっとである。絵本を読んで聞かせてあげることにし、妹の許可が下りたので(許可制なのだ)、私は近所の本屋の絵本コーナーをしげしげと見ていた。 この計画は、姪にお話を楽しむ習慣があったらそのほうが人生楽しいだろう、しかしお話を楽しむのみならず、のめり込んで私のような元・暗黒耽美派文学少女になってはマズイ、そういう矛盾を孕んでいるのだった。 大人でも絵本を楽しんでいる方はたくさんいるが、そういう人は絵が好きなのだと思う。私は絵にあまり興味がないので、絵本コーナーを物色するなどという機会は久しぶりである。今回買う絵本の条件は次のようなものだった。 姪は、まだ感受性やら審美基準やらが育っている最中だから、絵本は良書であるべきだ。できれば何百年と残ってきたお話が良い。 語り継がれ、書き継がれてきた話は、まあ時の施政者の意向で