自治体が運営する「公営バス」が赤字となることが多い中、補助金ゼロの「民間運営」にもかかわらず黒字を達成できたコミュニティバスがある。2013年に運行開始した神戸市灘区の路線バス「まやビューライン坂バス」だ。その発足と維持には“灘愛”に溢れた地元有名デザイナーや、地域活性化に打ち込む元商社マンのバス運行会社社長らの尽力があった――。 「日本三大夜景」の山を愛する神戸市民が死守する「坂バス」の話 「タンタンが乗っています」 兵庫県神戸市のJR灘駅前は、大きなパンダのぬいぐるみを乗せたコミュニティバス「坂バス」の出発地だ。近隣の王子動物園(神戸市)にちなみ、車体には、パンダが乗っているというステッカーが貼られた愛らしさがトレードマークだ。