小説「浮雲」で知られる作家・翻訳家、二葉亭四迷(1864~1909年)が、1906年1月から翌年10月にかけて、長崎に滞在する亡命ロシア人革命家にロシア語で手紙を出していたことが分かった。自筆の書簡4通とはがき1枚がモスクワのロシア連邦国立文書館で見つかった。二葉亭とロシア人革命家の交流が裏付けられたのは初めて。ロシア革命に関する本の翻訳に、革命家から借りた本が使われていたことも分かった。【杉尾直哉、モスクワ大木俊治】 「強い興味を持ってロシアの革命運動を学んでいる」などと書かれた手紙は、サンクトペテルブルク在住の古文書研究者ガリーナ・ドゥダレツさんが発見し、澤田和彦・埼玉大教養学部教授がコピーを入手した。澤田教授によると、二葉亭が長崎に滞在したロシア人革命家と交流したことは推測されていたが、初めて具体的に裏付けられた。今月26日発売の雑誌「文学(5・6月号)」(岩波書店)で澤田教授が詳細