アフガニスタンで農村復興のため水利事業に携わっているペシャワール会の中村哲医師の講演会が8月30日、宇部市の渡辺翁記念館で開催された。山口大学医学部最大の学生団体である「山口大学国際医療研究会」の学生たちが主催し、約1000人の聴衆が詰めかけた。米軍のアフガン空爆の下でだれが犠牲になり、どうなったのか。現地の実際を通して安倍政府の進める安保法制がいかなるものかを浮き彫りにするものとなった。以下、講演内容を紹介する。掲載する写真や地図は講演後に中村医師より提供していただいたもの。 農業軸の多民族国家 高山の水で豊かな実り アフガニスタンは日本人にとってもっともわかりにくい国の一つだ。中近東の乾燥地帯の東の端にある中央アジアの一角、ヒマラヤ山脈を西にたどったところにあるヒンズークシ山脈という7000~6000㍍級の高い山山の辺りがアフガニスタンだ。地理的に東西の交通の要衝である。 ヒンズ