伊藤詩織氏というジャーナリストの女性が、山口敬之氏という元TBSワシントン支局長の男性にレイプされたと実名で告発した件については、これまで様々なメディアで報道されてきた。その多くは、疑惑を否定する山口氏をクロと決めつけ、伊藤氏の勇気ある告発を支持する内容だった。 ところが、私はこのほど、こうした一連の報道に疑念を抱かざるをえない重大な事実に直面してしまった。伊藤氏が山口氏を相手取り、1100万円の損害賠償などを求めて東京地裁に起こした民事訴訟の記録を閲覧したところ、取材目的での閲覧が私以外にわずか3人しかいなかったのだ。 ◆メディアは伊藤氏の主張を一方的に伝えたが・・・ 伊藤氏に対する山口氏のレイプ疑惑は昨年5月、週刊新潮の報道で表面化した。それ以来、伊藤氏と山口氏の態度は対照的だった。 まず、伊藤氏は会見を開いたり、著書『Black Box』を上梓したりするなどして社会に向け、広くレイプ