さまざまな研究によって、がんの治療に有効な、腫瘍(しゅよう)のDNA(遺伝情報)に着目した血液検査手法が新たに開発された。これは、個人の遺伝子差異に合わせて治療を行う「テーラーメード医療」に大きな発展をもたらす成果だ。 18日発行の米医学誌『サインエス・トランスレーショナル医療』に発表された研究報告の内容は、人間の全遺伝子コードを解読できれば、患者の治療にいかに大きな影響を直接与えることができるかを最も具体的に示す例の1つだ。これまで、遺伝子や疾病に関する膨大な情報をもたらす、新たなDNA解読技術に関する研究報告が相次いでなされてきたが、新たな治療法の開発に結びつくものはまだ存在しなかった。 米ジョンズ・ホプキンス大学キメルがんセンターのがん生物学プログラムの共同所長で、今回の報告をまとめたビクター・ヴェルクルスク博士は「これまでがん患者にとって具体的に役立つ解読手法は報告されていなか