東北大病院の助教が昨年、専門誌に寄稿した論文の大半が、他人の2論文からの引き写しであることが、出版社の指摘などで分かった。東北大も把握しているが、「(助教は)若くこれからもある」として、懲戒に当たらない厳重注意処分にとどめていた。 問題の論文は胆嚢(たんのう)と膵臓(すいぞう)の専門誌「胆と膵」の昨年7月号に掲載。胆嚢につながる管のがんを解説している。 発行元の医学図書出版によると、今年7月、助教本人からの連絡で問題を知った。調べたところ、過去に他社の専門誌に掲載された、他の研究者の2論文と内容が酷似していたため、「胆と膵」8月号で、「『盗用』に近い内容」と指摘し、今後、この助教の投稿を受け付けないことを表明した。 助教の論文を他の2論文と比較すると、助教の論文の序文と、全6章のうち1〜4章が、2論文からほぼそのまま引き写したものだった。表もほぼ同じものが掲載されていた。 東北大は