※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しています。 国立国会図書館デジタルコレクション 国立国会図書館デジタルコレクション ※損傷個所は可能な限り修正しています。 【原文】 月麿画《つきまろが》 十返舎一九戯著《じつぺんしやいつくぎちよ》 二人ハ、一日見物して歩き、日も暮れければ、吉原《よしわら》限りに、また、両国《りやうごく》から五百羅漢《ごひやくらかん》、亀戸《かめゐど》、向島《むかふじま》、其の外《ほか》、王子《わうじ》、雑司ヶ谷《ぞうしがヤ》、堀ノ内《ほりのうち》ハ、此の後編に見物すべしと、先《ま》づ、馬喰町《ばくろてう》の宿へ立ち帰りける。 「さて/\、今日ハ芝屋さあの看板のう只《たゞ》見て来る。 吉原じヤア、御洒落《おしやらく》さあと行《い》き合《や》つて、手さあちくと触つて来る。 貝回《ばいまわ》しが気の違ハ無い内に、逃《ぬ》げて来る。 道/