インドネシアのジョコ大統領は29日、同国の首都を、ジャワ島にある現在のジャカルタから島外に移す方針を閣議で決めた。政治と経済、人口の一極集中で、将来の国の発展が妨げられることを理由に挙げている。ただ、移転にかかる費用をどう捻出するかなど課題は多く、実現できるかは見通せない。 【写真】インドネシア地下鉄のつり革に両手でぶら下がり、記念撮影をする乗客ら=SNSから ジョコ氏は閣議で「ジャワ島の交通渋滞や環境汚染も深刻だ」などと移転の必要性を訴えた。閣議の後、国家開発企画庁の長官は、移転には最大466兆ルピア(約3・6兆円)の費用が必要とし、「大事業で実現には5~10年はかかる」と説明。民間資金も活用する資金計画を作るよう指示を受けたとした。 同長官によると、ジャカルタの渋滞で年に100兆ルピア(約7870億円)の経済損失があるといい、移転には移転計画を練る新たな担当省庁が作られるという。