ブックマーク / courrier.jp (148)

  • 死んだ息子の「花嫁」を求めて遺体を奪い合う人々 | 死者たちがあの世で結ばれる「冥婚」の衝撃

    西安市では2005年、冥婚用に売ろうと成人女性6人分の遺骨を盗んだ男が逮捕された PHOTO: VCG / VCG / GETTY IMAGES 若くして亡くなった子供のために、あの世で添い遂げる「伴侶」を用意する──。中国の一部地域では、未婚で亡くなった若者の魂を弔うために亡くなった男女が挙式をあげる「冥婚」の儀式がいまもおこなわれている。 だが、圧倒的に男性の数が多い農村は深刻な「嫁不足」だ。若い女性の遺体が高値で売買されることから、遺体の闇市場が急激に拡大し、冥婚目的の盗掘や殺人事件が頻発している。 「花嫁の訃報」を心待ちにする人々 「私にとっての最大の浪費は、女性の遺体を火葬することです」 ──山西省洪洞県の病院で働く王勇(ワン・ヨン)はそう、中国誌「中国新聞週刊」で語った。 彼によれば、病院の霊安室に若い女性の遺体が安置されていることはまずないという。若い女性が危篤だという噂が流

    死んだ息子の「花嫁」を求めて遺体を奪い合う人々 | 死者たちがあの世で結ばれる「冥婚」の衝撃
  • #21 サウジだけじゃない、習近平を公然批判して「消えた」中国の若者たち | 中国ニュース拾い読み

    政権批判を展開していたサウジアラビア人記者がトルコで「消された」事件は今も波紋を広げているが、中国では11月、習近平政権批判の自撮り“遺言”動画を投稿した2人の青年がこつ然と姿を消した。中国では今年、SNSを使った若者による政権批判事件が相次いでおり、「専制の終わりの始まりだ」と指摘する声も出ている。 中国人の命はゴミほどの価値しかない 米政府の海外向け公共放送局「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」は11月12日、23歳の中国人青年、張盼成が自撮りした動画メッセージを伝えた。北京大学内の湖畔に佇む張が8分12秒の動画で淡々と語ったのは、以下の内容だ。 「今夜は僕の最後の勤務シフトだ。短い動画を撮りたいと思う。僕は、面識がないものの僕の心に深く根ざしている人たちを応援する。僕はごく普通の中国人で、僕にだって夢が、理想が、自尊心がある。また誰にも奪うことのできない権利を持っている。 全体主義体

    #21 サウジだけじゃない、習近平を公然批判して「消えた」中国の若者たち | 中国ニュース拾い読み
  • #07 アメリカで日本の「エロマンガ」を出版する「FAKKU」とは? | 椎名ゆかり「アメリカ“MANGA”人気のいま」

    からはアクセスできない「18歳未満禁止の大型会員制サイト」がある──。 そこでは日の成年コミック英語版が読み放題となっており、数十万規模の有料会員を抱え、さらに紙の単行も続々刊行しているという。椎名ゆかり氏がその創業者との接触に成功。ビジネスの秘密に迫った。 2018年2月、日における2017年のマンガ市場について、出版科学研究所が「単行電子書籍の売り上げが初めて紙を上回った」と発表しました。 一方、電子書籍が日に先駆けて普及したアメリカの2016年統計によれば、日MANGAも含む米コミックス市場全体における電子書籍の売り上げはおよそ8%。 ここ1年ほど伸びていると伝えられるものの、アメリカのコミックス市場はまだ紙媒体に大きく依存しています。 アメリカでも日MANGAに限定すれば、電子版の割合はもう少し高くなると推測できますが、この構造は劇的に変わらないと思われます。

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  • 大川小の遺族たち、そして「津波の霊たち」と過ごした英紙記者の6年間

    Richard Lloyd Parry リチャード・ロイド・パリー 1969年生まれ。英「ザ・タイムズ」紙アジア編集長および東京支局長。20年以上、東京に暮らす。著書『黒い迷宮』は、米探偵作家クラブ(MWA)賞の「最優秀犯罪実話賞」およびサミュエル・ジョンソン賞の候補作に選ばれた 2011年3月、東日大震災と続く津波で、1万9000人におよぶ人命が失われた。だが地震のとき小中学校にいた児童・生徒のほとんどは適切な避難で助かり、命を失ったのは1人だけだった。 その例外が、児童74人と教職員10人が犠牲になった石巻市立大川小学校(当時。以下、大川小)である。 いったい何が起こったのか。残された者は何を思ったのか。英紙「ザ・タイムズ」東京支局長のリチャード・ロイド・パリー氏は震災直後から現地に入り、大川小をめぐる取材を重ね、6年を経て著書『津波の霊たち 3・11 死と生の物語』にまとめた。 同

    大川小の遺族たち、そして「津波の霊たち」と過ごした英紙記者の6年間
  • 「それでもトランプ支持!」が減らない理由。授業から体育や音楽がなくなっちゃうから? 米大学日本人教授の渾身論考

    世界的な非難の嵐にさらされているドナルド・トランプ政権。だが、この政権を支持する人々の「怒り」が減少することはない。では、この「怒り」を抱えた人々はなぜ生まれたのか。 米国の大学で教鞭をとる研究者が、教育現場の崩壊などに原因を見出し、分析した最新論考をお届けしよう。日人には見えていない米国人の「足場」が明らかになる──。 ここまで叩かれても、支持率は“まだ”43% 2017年1月20日にドナルド・トランプ第45代米国大統領が誕生した。それから2週間も経たないうちに、トランプ氏はほぼ毎日のように大統領令を発している。前オバマ政権色の強い政策を翻し、メキシコとの国境に「壁」の建設を命令するなど、選挙運動中に掲げた公約も実行してきている。 これらの政策は物議を醸しており、なかでも1月27日に難民受け入れの一時凍結やシリアなどイスラム圏7ヵ国からの入国禁止を決めた大統領令は野党民主党のみならず、

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  • 「危機の本質は、ISでもテロでもない」気鋭の中東政治研究家が提言!

    「ISの弱体化」──混迷を極める中東地域において朗報に思えるこのニュースは、実は新たな危機の始まりに過ぎないという。 世界中に混乱をもたらしているシリア内戦が始まってから、すでに5年半が経過。膠着状態に思えた紛争は、ロシアの軍事介入や2016年8月に再開された和平交渉によってどのように変化しているのか。 気鋭の中東政治研究家は、「世界は問題の質を見誤っている」と指摘する。 青山弘之 Hiroyuki Aoyama 1968年、東京生まれ。東京外国語大学教授。シリアのダマスカス・フランス・アラブ研究所(IFPO、旧IFEAD)研究員、JETROアジア経済研究所研究員を経て現職。専門はシリア、レバノンの政治、思想、歴史。編著書に『混迷するシリア:歴史政治構造から読み解く』(岩波書店)、『「アラブの心臓」に何が起きているのか:現代中東の実像』(岩波書店)などがある。「アラブの春顛末記:最新シ

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  • 文明と接触したことのない原住民「イゾラド」を初めて撮影したNスペがすごいことに!  | 国分拓ディレクター・独占インタビュー

    国分拓ディレクター・独占インタビュー 文明と接触したことのない原住民「イゾラド」を初めて撮影したNスペがすごいことに! すさまじいドキュメンタリーが放送された。 文明社会と接触したことがない「原初の人々」が、いまだにアマゾン川の奥地にいる。アマゾン源流域、ブラジルとペルーの国境地帯にいるという彼らは、部族名も言語も人数もわからない。「隔絶された人々」という意味の「イゾラド」と呼ばれる謎の先住民族である。 いま、そのイゾラドの目撃情報が相次いでいる。森に猟に入った若者が弓矢で腹を射抜かれた。川辺で遊んでいた少女の足元に数の矢が飛んできた。イゾラドの集団にとり囲まれた村からSOSが発信された……。 なぜ彼らは突如として、文明社会の領域に姿を現すようになったのか。 2016年8月7日に放送された「NHKスペシャル 大アマゾン 最後の秘境」の第4集「最後のイゾラド 森の果て 未知の人々」は、「ヤ

    文明と接触したことのない原住民「イゾラド」を初めて撮影したNスペがすごいことに!  | 国分拓ディレクター・独占インタビュー
  • Vol.01 香港の「独立派」美人若手活動家が「中国への絶望」を語った│野嶋剛「極東のイノベーターを訪ねて」

    「女神」と呼ばれた国政への挑戦者 1997年7月1日の香港返還から19周年が近づく2016年6月のある日、香港・九龍のホンハム駅。 1人の若い女性活動家が、道行く人々に、香港の土派政党「青年新政」への支持を呼びかけるビラを配っていた。 駅近くには香港コロシアムがあり、この夜は、台湾の人気ロックバンド「メイデイ」が登場するため、通行人は普段よりも格段に多く、彼女がこの1年間、ほぼ毎日続けているという街頭演説にも、いっそうの力が入っていた。 彼女の名前は游恵禎さん(25歳)。香港の嶺南大学を卒業し、企業でOLをしていたが、2014年の雨傘運動に参加したことで人生が変わった。雨傘運動の経験者を中心に結成された政党「青年新政」に加わった。同党のリーダー格の1人になり、香港に台頭する「土派」でも注目される次世代の人材である。 土派とは、香港を「土(一種の故郷)」と見なして、自らと中国との間に

    Vol.01 香港の「独立派」美人若手活動家が「中国への絶望」を語った│野嶋剛「極東のイノベーターを訪ねて」