名古屋市営バスの運行ミスが減らない。市交通局は現場に危機感がないと悩み、運転士からは現場の声が届かないと不満が漏れる。2011年の事故隠し発覚を機にミスの報告は上がるようになったが、対策は後手に回り続けている。 【写真】川崎市営バスの運行表。現場からのアイデアで、交差点での進行方向を矢印で見やすくした。どこを走行中か見誤らないよう、髪留めをクリップに使い印をつけている=同市高津区の井田営業所 「行き先、(出)発時刻を再確認して、間違えないようお願いしますね」 6月下旬の午後、名古屋駅前のバス停。市交通局職員が車内の運転士に声をかけた。赤字で「経由確認」などと書かれた看板を手に、数分おきにバスが着く度に走り寄る。 運行ミス防止強化月間を掲げ、6月に始めた対策の一つだ。路線間違いが起きやすい50カ所超で、全11営業所と市交通局で実施。同局からは経理などバス事業以外の職員も含め、のべ300