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日銀の黒田東彦総裁は8日、英オックスフォード大で講演し、大規模な金融緩和策が効果を発揮している一方、人々に定着したデフレ心理の転換は「決して容易でない」と述べた。日銀が9日にホームページで講演内容を公表した。 黒田氏は、大規模緩和で企業や家計の経済活動を刺激したことによって、企業収益は過去最高水準で推移し、失業率も3%を下回る水準まで低下したと説明した。4年連続の賃上げなど「賃金の上昇を伴いながら物価上昇率が高まっていく好循環が作用している」と成果を強調した。 現状の緩和策は「日本経済を正しい方向に導く」としながらも、「知的探求はまだ完了していない」と指摘した。日銀はデフレ脱却を明確にするため物価上昇率2%目標を掲げているが、物価上昇率は0%程度と伸び悩んでいるため「達成にはなお距離がある」と訴え、緩和策を粘り強く続けていく姿勢を示した。
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