「仲人さんにお見合いの断り状を出す時は、早めに丁寧に書きましょう」 約480人の学生で埋まった昭和女子大学(東京都世田谷区)の大教室。 岸田依子教授(中世文学)が切り出すと、雰囲気が少し変わった。携帯メールに夢中だった者が、顔を上げてくすりと笑う。毎週水曜日、1年生を対象に行う必修の「日本語基礎」だ。 45分間の授業を年間30回。漢字や長文読解、敬語などを学ぶ。この日のテーマは「手紙の書き方」。絵はがきのコピーなどを資料として配ったうえで、学生の関心を引くために取り上げたのがお見合いの例だった。 「今の若い人は、手紙を書く機会がほとんどない。最低限必要なことを身につけてもらいたい」と岸田教授は話す。 「日本語基礎」が始まったのは4年前。論文に「っていうか」「マギャク」などの話し言葉や絵文字が頻出する、受け答えも満足にできないといった実態に、教員が悲鳴を上げたのがきっかけだった。 「仲間内の