全く門外漢の私だが、自閉症の研究には特に興味を持って論文や本を読んできた。印象を一言で表すと、実に様々な実験的研究が行われている。なかでも、次世代シークエンサーなどのゲノム解析手法の開発が進んだおかげで、自閉症発症に関わる遺伝子を探索するゲノム研究は急速に進展したように思う。ただ候補遺伝子が特定されても、そこから行動変化に至るまでの過程を説明することは難しい。身体的疾患なら動物モデルを使って研究できるが、自閉症を研究できる動物モデルには限界がある。人間で遺伝子と症状の間を埋めたい場合、生理学的研究とともに、細胞・組織レベルで自閉症特異的な変化を見つける必要があった。 この意味で、一昨年7月、イェール大学のグループが発表した論文は画期的だった(Mariani et al, Cell, 162:375-390)。 この研究では、自閉症児からiPSを樹立し、このiPSから3次元の脳組織を試験管内
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