金価格が歴史的な高値に上昇している。国内での販売価格は1グラム当たり6000円を突破し、40年ぶりの高値である。金価格は昨年からじりじり上昇しており、今年に入ってからも勢いが衰えない。 金が買われる理由として、経済ニュースではいくつかの要因をあげる。米国の利下げ、米中貿易摩擦の激化、米軍によるイラン革命防衛隊の司令官殺害をきっかけとした中東情勢の緊迫などだ。 けれども、これらの一見バラバラな出来事がなぜ金価格の上昇につながるのか、よくわからない人もいるのではないだろうか。じつは、ニュースでは説明を省いてしまう場合が多いが、金が買われる背景には、共通する根本原因がある。それは「インフレへの恐れ」である。 インフレはお金の価値が下がり、デフレはお金の価値が高まること 私たちは普段、中央銀行が作った紙幣(お札)をお金として使っている。紙幣はその名のとおり、紙でできているので軽く、持ち運びに便利と