漫画家・水野英子さん(81)といえば、女性が描く少女漫画のパイオニアだ。 代表作は『白いトロイカ』『ファイヤー!』『星のたてごと』など、どれも当時の先進的なテーマばかり。そんな水野さんは駆け出しのころ、手塚治虫、赤塚不二夫、石ノ森章太郎、藤子不二雄A、藤子・F・不二雄、寺田ヒロオといった昭和を代表するマンガ家が青春時代を過ごした「トキワ荘」で暮らした。研鑽を積み、その後「赤塚不二夫、石ノ森章太郎と合作で、少女マンガを描きませんか」という依頼を引き受け、迷わず引き受けた。 「いまでこそ少女マンガの描き手は女性という認識ですが、当時は男性が描いていたんです」 そんな水野さんだが、トキワ荘を出たあと、人気シリーズを数多く手がけつつも思いもよらない逆風にさらされたこともある。『女のくせに生意気だ』という視線は、少なからずあったというのだ。 ■著作権の勉強会の影響でヒット作は打ち切り。未婚の母になっ