読者の庭 真岡 哲夫 まおか てつお 北海道札幌市在住 1962年 長野県に生まれる。 研究者・植物病理学。 読書欲と電子文藝館 −読みたい気持ちは「電子文藝館」からどこへ行く− はじめに 日本ペンクラブが運営する「電子文藝館」は、二〇〇一年に創設され、現在開館四年目を迎えて、六百近い作品を常時・無料で鑑賞できる「電子読書室」に成長した。 この文藝館は、主に二つの異なるカテゴリーから成り立っている。 その一つは、日本ペンクラブ「正会員」が出稿した作品群で、いまひとつは、電子文藝館委員会が選定した作品群である。後者は、近代日本文学の軌跡を俯瞰できる「招待席」、日本ペンクラブの存在証明となる「反戦・反核」「出版・編集」「主権在民史料」の三つの特別展示室から成り立つ。 これに加え、最近、ペンクラブ会員向けの「会員広場」のほかに、読者向けの「読者の庭」が新設され、さらにガイダンス的な「展観道案内
物故会員 吉田 健一 よしだ けんいち 批評家・作家・随筆家 1912 - 1977 東京に生まれる。 外交官であった父吉田茂に従い幼少時を仏英中国等で過ごした。河上徹太郎に師事し中村光夫らと「批評」を創刊。戦後、『英国の文学』『シェイクスピア』等の批評が高く評価され、また心豊かな名随筆や、小説も書いた。蜜を掬うようにとぎれないユニークな回旋型饒舌体は、味わえば味わうほど甘い毒の味で鋭い批評を突きつける。 掲載作は、昭和五十二年(1977)「新潮」一月号初出、吉田健一の文学と思想の一原点を成している。 言 葉 いつもこの言葉といふものに戻つて来る。それは誰でもさうであるのに違ひないが言葉といふもの、この場合は日本語をその反対に少数の専門家が研究に用ゐる材料と考へて他のものが知つたことでないとする時に例へば国語審議会のやうな話にならない機関が設けられることになる。それが日本語でなくても一国の
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