光文社は9月7日に「古典新訳文庫」を創刊する。戦後まもなく出された翻訳の日本語が古くなったり、『星の王子さま』のように出版権が切れたりしたために、西洋古典の新訳ブームが続いているが、新訳に特化した文庫は初めての試みだ。 創刊ラインアップは、シェイクスピア『リア王』(安西徹雄訳)、ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟1』(亀山郁夫訳)、トゥルゲーネフ『初恋』(沼野恭子訳)など8点。10、11月は各4点、以降は毎月2点ずつ定期的に刊行する。 同社翻訳出版編集部の駒井稔編集長は「混迷の時代には、古典のような根源へと読者は向かう」とみる。「これまでは、訳が読みづらくて古典が敬遠されてきた。わかりやすく正確な訳を届けたい」 「いま、息をしている言葉で」がキャッチフレーズ。退職を迎えて時間ができる団塊の世代も、読者に当て込むという。