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スゴ本とBookに関するkarukanのブックマーク (3)

  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

    なぜ自分が自分の形を留めていられるかというと、自分を知る誰かがいるから。 誰も自分を知らない場所へ旅するのもいい。そもそも誰一人いない場所を旅するのもいい。だが、いつかは放浪をやめてこの世界のどこかに落ち着かなければならない。さもないと人という存在と疎遠になり最後には自分自身にとってさえ他人になってしまう。 誰かを撮った写真は、近しい人間の心のなかでしか価値を持たないのと同じように、人の心も別の人間の心の中でしか価値を持たず、その人の思い出は、思い出したときにのみ存在するだけであって、思い出す人がいなくなれば、消え去るほかない。 人生は思い出だ、そして思い出が消えれば無になる。だから人は思い出を物語ろうとする―――コーマック・マッカーシーの『越境』を読んでいる間、そんな声が通底音のようにずっと響いていた。 マッカーシーの代表作ともいえる国境三部作(ボーダー・トリロジー)の第二作がこれだ。第

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
  • マクニール「世界史」はスゴ本

    800ページで世界史を概観できる名著。 「シヴィライゼーション」という文明のシミュレーションゲームがある。暇つぶしのつもりで始めたのに、暇じゃない時間まで潰されてしまう危険なゲームだ。マクニール「世界史」もそう。それからどうなる?なんでそうなる?に次々と答えてくれる書は中毒性が高く、読むシヴィライゼーションといってもいい。 ゲームのように面白がれないが、ゲームのように熱中して、マクニール「世界史」の最新完訳版を読む。世界で40年以上にわたって読み続けられており、blog/twitter/tumblr でスゴいスゴいと噂には聞いていたが、たしかに素晴らしい。何が良いかっていうと、「眠くならない歴史」であるところ。 話は少しさかのぼる。流行に乗っかって教科書開いたはいいが、あれだね、睡眠導入剤として最適だね、山川世界史。パブロフのなんちゃらのように、開いた途端、急速に眠くなる。「メソポタミア

    マクニール「世界史」はスゴ本
  • ゆるふわ読書でも人生に根を張るモンテーニュ「エセー」

    「死ぬまでに読みたい」シリーズ。 今回はモンテーニュ爺の「エセー」。ボリュームある岩波6巻や白水3巻に挑戦する前に、みすずの抄訳で試す。「後悔について」「われわれはなにも純粋には味わわない」など、長短織り交ぜた11章が抜き出された一巻で、爺さんのゆっくりした思考をたどり、自分もゆるゆる考えるのに、この短さはちょうどいい。長いと、つい、ざくざく読みたくなるからね。 モン爺さんの考えは、流行りのJ-POPに似ている。「ありのままのアナタでいい」とか、「変わらぬ毎日を大切に」といった風味で、権力志向や夢をかなえる努力とかは、人生の添え物にすぎないらしい。そして「エセー」において、自分を肯定し、普遍的な存在としての自己を描くことで、人生を耕していく姿を見せ付けてくれる。松岡正剛氏は方丈記ならぬ"長丈記"と評したが、もっと「己」が出ているので、むしろ"徒然草"的に見える。故事逸話から古典のコメンテ

    ゆるふわ読書でも人生に根を張るモンテーニュ「エセー」
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