16歳の時に兄の影響でアメリカのフォークソングに出会い、そのメロディの明るさやリズムの心地よさに魅入られた高田渡は、アメリカのフォークソングの第一人者だったピート・シーガーに私淑していった。 通っていた中学校の英語の先生に代筆してもらった英文と、日本語で書いた手紙、それに自分の写真3枚を添えて、ピートに送ったのは1966年6月上旬のことだ。 それから2か月以上の時間が過ぎても返事は来なかったので、あきらめてかけていた8月の終わりになって、本人のサインが入った手紙が届いた。 心の師と仰いでいたピートからの手紙には、高田渡の質問に関するアドバイスが簡潔にタイプ文字で書かれていた。 Dear Wataru Takada: Thank youfor your long letters ー I’m sorry that my answer must be so brief. 1) You can l