「ウィーーーン」。 モーターで駆動するEV(電気自動車)特有の走行音は、ガソリンやディーゼルといった内燃機関車とは違う独特なもの。数年前ならば、EVを見かけたらついつい耳をすましてその走行音を聞いていた。ただ、1日あたり10回以上もEVを見かける今、その特別感は薄れつつある。 我々の生活において一般的な存在となったEVだが、今回筆者が試乗する機会を得た車両は走行音こそ同じものの、姿形は一味違う。最大の特徴は、立ち乗りであること。そして、前2輪、後ろ1輪の計3輪を有する1人乗りのパーソナルモビリティーであることだ。重心を左右に移動させながら旋回するその姿は、ゲレンデを滑るスキーの動きを彷彿(ほうふつ)とさせる。 同車両を開発したのは、2輪車大手のヤマハ発動機である。名称は「TRITOWN(トリタウン)」で、現在は試作車という位置付けだ(図1、2)。このほど、新潟県長岡市の国営越後丘陵公園にて