まさに空前絶後の規模である。1兆ドル(約110兆円)――。アメリカの学生が抱える学生ローンの総額が、今年初めて1兆ドルを超えたのだ。 連邦準備委員会による消費者信用報告書によれば、現在4400万人を超えるアメリカ人が総額1兆5600億ドル(約170兆円)を学生ローンで借りている。 この額は、アメリカのクレジットカードの合計債務額の1兆2000億ドルよりも多く、また自動車ローンの合計債務額よりも約5210億ドル多い。今や学生ローンは、その範囲と影響において、住宅ローン以外には比べるものがないほどの国内最大の消費者債務のカテゴリーになっている。 返済には平均で19.7年かかる この巨大な数字には、新卒者だけでなく、学校を出てから10年以上経過した人々の債務も含まれる。学費の支払いと返済を支援する組織であるニトロは「アメリカ政府による融資の標準的な返済期限は10年だが、学士号保有者が融資を実際に