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ブックマーク / book.asahi.com (9)

  • コラム別に読む : 冤罪と裁判 [著]今村核 - 青木るえか | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    ■警察より“悪意のない証言者”が怖い まあ、あとからあとから紹介される冤罪のひどいこと。いったん「お前がやったんだろう」と警察に思われたが最後だな、と絶望的な気分になる。 何かので「警察に捕まった時、もしやっていたらただちに自供せよ。もしやっていなかったら完全黙秘」というアドバイスがあって、アリバイを述べても、そんなもん述べたそばから警察に証拠隠滅されて立派な犯罪者に仕立てられるというのだが、このを読んでるとそれもウソではないと思わされる。 取り調べの苛烈さもすごい。すごくリアルだったのが、腰の具合が悪い被疑者が前傾したイスに座らされて辛かったっていう話。ボロい、前に傾いているパイプイスに座った時のイヤな感じ! 取り調べでそんなイスに座って「動くな!」とか怒鳴られるって、どんな拷問だよ。 と、警察へは充分に怖ろしさを味わうが、もっと怖ろしいのは「悪意のない証言者」だ。このにも、たくさ

    コラム別に読む : 冤罪と裁判 [著]今村核 - 青木るえか | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
  • asahi.com(朝日新聞社):「てぶくろ」印税 被災者に 画家の遺族が申し出 - 出版ニュース - BOOK

    「てぶくろ」印税 被災者に 画家の遺族が申し出2011年4月5日絵『てぶくろ』 出版社:福音館書店 価格:¥ 1,050 絵『てぶくろ』で知られるロシアの画家E・M・ラチョフの遺族がこのほど、東日大震災の被災者のため、福音館書店から出ている邦訳の印税を今後1年分寄付すると申し出た。 森に落ちていた手袋の中にさまざまな動物がすみつき、吹雪をしのぐ話で、チェルノブイリ原発事故があったウクライナの民話だ。1965年に翻訳されて以来、ファンが多い。 ラチョフのリジアさんから連絡を受けたロシアの研究者、田中友子さんは「避難所で身を寄せ合って寒さに耐える方々に、北国ロシアから届いた声援です」と話している。(白石明彦)

  • 【レビュー・書評】:タビと道づれ(1〜6) [作]たなかのか - コミックガイド - BOOK:asahi.com(朝日新聞社)

    タビと道づれ(1〜6) [作]たなかのか[掲載]2010年4月25日[評者]ササキバラ・ゴウ(まんが編集者)■明日が来ない町で深まる謎 明日が来なくなり、ひたすら今日が繰り返される町。その中に閉じ込められた者たちを描くSFミステリーだ。主人公たち数人をのぞいて、町の人は誰もそのことに気づいていない。なぜ時間が進まなくなったのか。なぜ彼らだけがその状況で浮いているのか。 夏の海辺の町を舞台に、謎めいた内容がコメディータッチで描かれるが、明るい絵柄とは裏腹に、圧倒的な閉塞(へいそく)感と切迫感が漂う作品だ。しかも謎が深まるにしたがい、さまざまな人の心の弱さや暗さが描かれ、深く掘り下げられ、読み応えのあるドラマが展開される。 主人公は、学校になじめず、追い詰められて、昔住んでいた町に舞い戻った高校生だ。彼女が自分の心のよりどころを求め、不器用に手さぐりしていく展開の中で、この不思議な空間自体の謎

  • asahi.com(朝日新聞社):現実世界・闘病をSFに昇華 伊藤計劃さん、没後に人気 - ひと・流行・話題 - BOOK

    現実世界・闘病をSFに昇華 伊藤計劃さん、没後に人気2010年5月15日 昨年3月に死去したSF作家、伊藤計劃(けいかく)さん(享年34)の人気が高まっている。生前には発行1万5千部だったデビュー作『虐殺器官』(早川書房)が没後に文庫化され、計約10万部に達している。この春には、未刊行作などを集めた『伊藤計劃記録』(同)も出版された。現実の問題をSFに昇華させる際の独特の作風と、がんと闘った実人生とが混じり合い、読者をとらえている。 伊藤さんの作家生活は2年に満たなかった。 20代で右脚にがんが見つかり、やがて肺に転移した。2007年にデビューしたときには、すでに入退院を繰り返すような状態にあった。父の進一さん(67)は「抗がん剤などの治療を受けながら、ベッドで小説を書いていた。過酷な治療だったが、書くために少しでも長く生きようとしていた」と振り返る。 『虐殺器官』など6作が発表され、完成

  • 【レビュー・書評】もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら [著]岩崎夏海 - 愛される理由 - BOOK:asahi.com(朝日新聞社)

    もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら [著]岩崎夏海[掲載]週刊朝日2010年2月19日号[評者]永江朗■アイデアはいいが小説はダメ しばらく前、『夢をかなえるゾウ』というが大ヒットしたことがあった。自己啓発書のエッセンスを盛り込んだお笑い小説である。もっと昔には『ソフィーの世界』というが大ヒットした。西洋哲学のエッセンスを盛り込んだファンタジー小説だ。それを当て込んだのか、岩崎夏海『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』は、青春小説で経営学をお勉強しようというである。しかもカバーと見返し等にはライトノベルにあるようなイラスト。萌え系狙いか。 内容は長いタイトルそのまんまである。都立高2年生の川島みなみが野球部のマネージャーになる。書店で手に取ったのがドラッカーの『マネジメント』。そそっかしい彼女は、野球部の「マネー

  • asahi.com(朝日新聞社):おのぼり物語 [作]カラスヤサトシ - コミックガイド - BOOK

    おのぼり物語 [作]カラスヤサトシ[掲載]2008年10月12日[評者]南信長 やられた……。まさかカラスヤサトシに泣かされるとは思わなかった。 カラスヤといえば、日常の些細(ささい)な出来事をネタにした実録4コマ集『カラスヤサトシ』で一部マニアの注目を集めた作家である。決してほのぼのネタではなく、自虐の哀愁がイタイ笑いを誘うタイプ。特に大人げない一人遊びネタは、ちょっと引いてしまうほどだった。 そんな作者が漫画家としての仕事もろくにないまま、29歳で上京した際の体験を綴(つづ)ったのが作だ。異文化に驚き、貧乏をしのぎ、孤独に震えるといったよくある上京ネタも、作者特有の妄想力と1人ボケツッコミの技で、マヌケなメルヘンのような味わいに。人恋しさのあまり部屋の前の道を歩く人の会話に口パクで参加したなんてネタは相変わらずだが、昔の担当編集者の結婚式での話や、学生時代の同級生の女性Nさんとのエピ

  • asahi.com(朝日新聞社):書道マンガ 人物生き生き、描写が魅力 - ひと・流行・話題 - BOOK

    書道マンガ 人物生き生き、描写が魅力2008年5月18日 よく眺めるブログに書いてあった。「もうマンガにならないテーマはないんじゃないか」 そこでの話題が河合克敏さんの連載マンガ「とめはねっ! 鈴里(すずり)高校書道部」。06年12月に週刊ヤングサンデーで始まり、いま単行3巻が出ている。 コミック界で珍しい「書道マンガ」だ。舞台は神奈川県下の鈴里高校。帰国子女の主人公・大江縁(ゆかり)は、ふとしたことから廃部寸前の書道部に入部。ただ一人の男子部員として、同級生で柔道全国2位の望月結希とともに、「書の甲子園」を目指す。 リアルな描写が魅力の一つ。柔道マンガ「帯をギュッとね!」、競艇マンガ「モンキーターン」等々、アスリート系のヒット作を世に出した作者らしく、人物の動きが精密で、躍動感に富む。筆を持つ場面なども力の入り具合まで感じられる。 これらは綿密な取材が支える。著者は各地の高校などを回っ

    kashmir108
    kashmir108 2008/10/07
    とめはね
  • asahi.com: 働かない―「怠けもの」と呼ばれた人たち [著]トム・ルッツ - 書評 - BOOK

    ■罪悪感と喜びの複雑な捻れ 怠け者とは何もしない人ではない。自分の好きなことは喜んでする。著者の息子が朝から晩までカウチ(寝いす)で寝ころんでいたのも、けっして怠けていたわけではない。したいことを、していただけだ。 しかし、その行為は「資主義の精神」の象徴であるベンジャミン・フランクリンが唱えた「時は金なり」の働く倫理に反していた。だから著者も最初は息子に怒りを覚えたはずだ。これに対し「怠惰の唱道者」サミュエル・ジョンソンは、「すべての人間は、怠け者だ」と言って、働かない倫理を支持した。 著者によればこの相反する倫理は対立せずに「複雑に捻(ねじ)れた認識」として共存している。実際、「自分が怠けているとき」は罪悪感と同時に喜びを覚える一方で、「他人が怠けているとき」には、嫉妬(しっと)とともに「怒りの感情が引き起こされる」からだ。つまり人間は働き者と怠け者に分類されるのではなく、両方の要素

  • asahi.com: 恥ずかしい和製英語 [著]スティーブン・ウォルシュ - ニュースな本 - BOOK

    国立国語研究所「外来語」委員会が、外来語の言い換え提案を発表した。「トラウマ」は「心の傷」とか、「アミューズメント」は「娯楽」とか、「ハイブリッド」は「複合型」というふうに。私の仕事フリーランスのライターであるが、これからは自由契約ライターと言い換える? 外来語の濫用はやめたほうがいいよ、というのはよくわかる。でも提案された言い換えはほとんど漢語ばっかり。もっと和語っぽい言い換えはできないのか。「アミューズメント」は「遊び」とか、「ハイブリッド」は「合わせ」とか。「フリーランス」は「お気楽」? それはさておき、外来語の濫用も問題だけど、和製英語もどうかと思う。英語のようで英語じゃないから、英和辞典を引いても意味がわからない。もちろん外国人には通じない。 スティーブン・ウォルシュの『恥ずかしい和製英語』は、在日英国人による和製英語についてのである。「妄想を呼ぶ誤解」「微妙な違い」など5つ

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