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ブックマーク / yellowsign.exblog.jp (11)

  • 四月馬鹿 | 煙撒庵黄印居士

    夕方 仕事の帰り 近所の道を歩いていると 暗がり 街灯の真下 ピョコンと顔 出したのは 僕の近所に住んでる 親類の娘さんであるところのミドリさん14歳です。 やあ こんばんは お散歩ですか などと話しかけたのですが ミドリさん 何にも答えず 僕の手を取り 胸の辺りに押し付けて 意味ありげに ニッコリ笑いましたらば 「きゃあ! たすけて! 痴漢! 強姦魔! 犯されるううぅうぅ!」 などと 馬鹿でかい声で とんでもない事を叫び出しました うわあ! 僕 まだ叫ぼうとするミドリさんの口を押さえ そのまま引きずり 僕の部屋へ連れ込みました。 ミドリさん なんて事をしてくれるのです ちょうど人通りがなかったからいいようなものの 時と場合によっちゃあ ちょっとした ポリス沙汰になっていたかもしれませんよ ?! って僕の非難も ミドリさんには何処吹く風で 涼しい顔をしています。 「だって 今日は四月一日で

    四月馬鹿 | 煙撒庵黄印居士
  • 上様のお庭番 | 煙撒庵黄印居士

    (深夜の武家屋敷、幾十数人のサムライ・ゴロツキが地面にうち伏してうめき声を上げている) (倒れている男達の間を縫うように歩いて忍者とクノイチの二人、闇の中から登場) 「毎回の事ながら、上様って、ずるいよな」 「ええ、峰打ちばっかりで、自分の手は絶対に汚さないわよね、キャ!」 (突如クノイチの足に地面に倒れているサムライの一人が縋り付く。サムライは上様の峰打ちを胸に受けて肋骨の粉砕し、息も絶え絶えだ) 「た、助けて、苦しい、お願い、医者、呼んグェッ!」 (クノイチ、自らの足に縋り付くサムライの喉元に、なんの躊躇もなく白刃を突き立てる) 「もう、イヤんなっちゃう。サッサと片付けちゃいましょうよ」 「ああ、全くだ」 (忍者とクノイチ、身動きのとれないサムライゴロツキの間を巡って次々にトドメをさしていく) 「トコロで、今回のアノ町娘とソノ父親、どうするよ」 「ああ、また上様が調子に乗って、自分の正

    上様のお庭番 | 煙撒庵黄印居士
  • 煙撒庵黄印居士

    夜 口笛吹かば。

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  • フラグ | 煙撒庵黄印居士

    会社の休憩室にて ワイシャツの袖ボタンが取れたので繕おうと 針の穴に糸を通そうとしているとです。 「なにやってんの?」 と 声を掛けてきましたのは 会社の同期。 やあ ちょっとボタンが取れたものだから。 繕おうとしてるんだけれど なかなか 糸が針に通らなくて。 不器用な男ですから。 「高倉健気取り? ちょっと貸してみてよ」 と 僕の手から針と糸を取り上げて。 「ん…」 なんて 糸の先を口に含み ちょいと尖らせて 精神集中。 「や… ん… で… どうだ! 通ったよ!」 なんて 得意満面な笑顔をしてさ。 あ どうも ありがとう。 でも あれだよ 止める間も無かったけれどさあ 「止める間って?」 ん? ほら 最初 糸の先 口で濡らしたじゃない。 それ 僕がさんざん最初にやってるからさ 僕と君との 間接キッスになってしまったよ 「ふん そんなこと… 知ってるよ」 だなんて 耳の先まで真っ赤にして 

    フラグ | 煙撒庵黄印居士
  • 天の川の砂 | 煙撒庵黄印居士

    「ねえ いいもの みせてあげよっか?」 なんてことを 僕の近所に住んでいる親類の娘さんであるところのミドリさん14歳が云うものですから ふひひ どんなイイモノ 見せてくれるんだろう と ドス黒い期待に濁った目をして頷きました。 「じゃ 目 つむって うふふふ」 やあ これは ますますもって期待できます ミドリさん 僕という人間を分ってきたじゃあ ないですか 「もう いいよ 目 あけて」 ご開帳ですかい?! …え ミドリさん なんです? その 手に持ってる キラキラしてるの 「キレイでしょ」 や キレイですけれども! …えーっと ミドリさん? 見せたいものって もしかして? 「コレに決まってるじゃないの」 えー 「なにが えー よ」 だって もっと ゾクゾクするもの 見れると思ってたのに 思っていたのに それ? 「そう 今日は これを自慢しにきたの ふふ いいでしょ」 や ご自慢は結構なんで

    天の川の砂 | 煙撒庵黄印居士
  • 蔦子さん考 | 煙撒庵黄印居士

    私の友達で、写真部の副部長で自他共に認める写真部のエースの蔦子さんは女の子の写真を撮るのが大好きで、でも自分が被写体になるのは病的なほどに苦手で。 いつも私の変な表情(百面相とよく云われている)を蔦子さんに撮られるのが癪なので 今日はアレです 意趣返し。 今度は逆に 私が 蔦子さんの呆気にとられた顔を写真に撮ってあげようと 鞄の中 使い捨てカメラを潜ませて登校したのです。 お昼 蔦子さんを誘い お弁当片手に中庭へ 芝生に並んで腰掛けて 当に良いお天気で お昼をべるには良好、写真を撮るにも絶好です。 蔦子さん コロッケぱくつき気がそれた 今 チャンス! 隠し持った使い捨てカメラ そっと取り出し。 「ちょっと いい?」 「なに? 祐… あっ!」 彼女の肩をぎゅっと抱き寄せ 私の右腕 一杯に伸ばし カメラのレンズをこっちに向けて。 ピカッ、カシャリ とやってやった。 お箸を片手にビックリした

    蔦子さん考 | 煙撒庵黄印居士
  • 目覚めよ! | 煙撒庵黄印居士

    今日は仕事がお休みであったので コタツでゆっくりくつろいでいると 僕の近所に住んでいる親類の娘さんであるところのミドリさんが遊びにきました。 「ごきげんよう 佐々木(仮名)さん。 あ 借りてたコレ 読んじゃったから返すね」 と コタツの上 ドサリ置かれた紙袋の中身は わあ 集英社コバルト文庫 マリア様がみてる レディ、GO!までの既刊全部で 近頃見当たんないなあと思ってたら ミドリさんが借りていってたんですか? 「うん この前佐々木(仮名)さんちに来たとき 借りてったんだけどさ」 そんな 断りもなく 「別にいいじゃないのさ 文句ある?」 い いえ 文句なんてありませんよ。 で どうです? 「どうです? って なにが」 え なにがって どの姉妹がお気に入りなのか って事ですよ ぼ 僕は 黄薔薇が 黄薔薇姉妹がすごくいいのですが! 「え 別にお気に入りの姉妹なんて いないよ?」 ええ?! お気

    目覚めよ! | 煙撒庵黄印居士
  • 詞祝使天 | 煙撒庵黄印居士

    ミドリさん14才は 僕の近所に住んでいる親類の娘さんであります。 今日は仕事が休みであったので 家でゆっくりしていましたらば ミドリさんからお電話ありました。 なんでも ご両親がお出かけされての留守番中 暇潰しに作ったカレーがたっぷり過ぎて べるのを手伝って欲しい とのこと。 うれしいこといってくれるじゃないの 俺は作りすぎたカレーだってかまわないでっちまう人間なんだぜ などと一人語ちつつ ミドリさんちにお邪魔いたします。 「あ いらっしゃい 待ってたのよ」 と ミドリさん 玄関にお出迎えで さっそくキッチンに案内してくれて うわあ ミドリさん 馬鹿じゃないですか 「んな?! 馬鹿ってなによ!」 こんな でかい寸胴鍋いっぱいにカレーを作って 何十人分です 何処かに難民に炊き出し気分ですかい? 「う うっかり ものの弾みで こうなっただけですよーだ」 や モノの弾みにも限度がありますよ 

    詞祝使天 | 煙撒庵黄印居士
  • わたしの考えたマリみてSS | 煙撒庵黄印居士

    <あらすじ> リリアン女学園在学中の二条乃梨子の居候先の家主であるところの二条菫子が泊りがけの旅行に出掛けてしまい乃梨子は一人でお留守番。それを知った乃梨子の“お姉様”藤堂志摩子が心配だからと乃梨子の家にお泊まりに押し掛けた。二人で夕ご飯を作ってべたりお話をしているうちにもう大分遅い時間に…… 「ふう、良いお風呂… あら、乃梨子? どこにいったのかしら」 シャワーを浴び終わった志摩子が部屋に戻ると、乃梨子の姿が見えない。 どこに行ったのかしら、とベッドに腰掛けキョロキョロしていると、乃梨子が両手に座布団と毛布を抱えて戻ってきた。 「菫子さんの部屋から毛布をかりてきちゃった」 と、床に座布団と毛布を敷き始めた乃梨子をみて志摩子が言った。 「まさか乃梨子、床で寝るつもり?」 「え、うん。 まさか、志摩子さんに床で寝させる訳にはいかないじゃない」 「駄目よ乃梨子、風邪を引いてしまうわ」 「心配

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  • ≠ネコ | 煙撒庵黄印居士

    彼女の住む部屋に 初めて招待されました。 「せまいとこだけど ゆっくりしてってよ」 「にゃー」 わあ ネコ ネコじゃないですか ネコ 飼ってるんだあ ようしようし うわあ 小っちゃい 「ネコ? ネコじゃないよ」 ネコじゃないって どこから見てもネコじゃないですか 「にゃー」 ほら! ニャーって云ってるし! 云ってるし! 「ニャーって云っても ネコじゃないの ヒコ よ」 ヒコ? 「うん ヒコ」 ネコじゃなくて ヒコってのは なにか違うんですかい? 区別付きませんよ 「んっとねえ ネコってのは ネズミを獲るから ネコなの」 え そうなんですか? 「うん で 蛇を獲るのは ヘコ 鳥を獲るのは トコ」 じゃ じゃあ ヒコってのは 何を獲るんです? 「人を獲るから ヒコよ」 「にゃー」 え? と訊き返す間も無く 僕 抱きかかえてたソレに喉笛をいちぎられた。

    ≠ネコ | 煙撒庵黄印居士
  • カキノタネ | 煙撒庵黄印居士

    柿の種というのはビールのオツマミに重宝します。 今日もボリボリべています、何気に柿の種を凝視してみると、先っちょの方に黒い点が二つチョンチョンと付いています。 ああ、きっとアレだ、目玉が溶けなかったんでしょう。 柿の種というのは、ある種の昆虫の幼虫を油で高温で揚げたモノなのです。熱い油で幼虫の目玉や手足はドロドロに溶けて、カラリと揚がるとあんな風な柿の種になるんですが、目玉というのは案外溶けにくくて残っていることがままあるんです。 今度柿の種をべるときがあったのなら、キチンと見てみるといいですよ、10匹に1匹の割合で目が残っているから。

    カキノタネ | 煙撒庵黄印居士
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