兄さんへ あなたの誕生日に、二度目の手紙を書きます。「国籍と遺書、兄への手紙」を書いてから、あなたの同級生だった人が連絡をくれました。そして初めて、知ったことがありました。 前の手紙に書いた通り、私とあなたは母親が違うし、私があとから家族に加わったことで、あなたに迷惑をかけているんじゃないかって、子どもながらに思ったこともあった。でも、兄さんはそんな態度、みじんもとらなかったよね。小学校の時、運動会に来てくれたこと、とても嬉しかった。あの時応援してくれた記憶は、一生の宝物。 もしもあなたや父さんの死を経験していなかったら、私は「家族ってなんだろう」と深く考えることも、その答えを求めて16歳のときにカンボジアに行くこともなかったと思う。カンボジアに渡航しなければ、今の仕事には就いていないと思う。つまり、今の私の全てが違っていたと思う。でも、兄さんが亡くなった、「その経験のお陰で」とは絶対に言