上田慎一郎『カメラを止めるな!』、この手の映画が思わぬところまで届いて客がたくさん入ってる事態は本当に喜ぶべきだし、これを機にホラーとかゾンビものとかもっと広く自主映画全般に興味持つ人が増えることになれば素晴らしいと思いますが、個人的には、そもそもの姿勢に納得いかないところが多々ありました。何箇所も笑ったし、泣いたところもあり、作品自体にいいところはたくさんあったとは思うんですが、監督が、ゾンビ映画も、役者、スタッフも観客も、本当はあらゆるものを信じていないように見えてしまうところに非常にもやもやしました。 端的に一番問題だと感じたのは、最初の劇中劇だけでも勝負できるように作っていないことです。もちろんそれがこの映画の戦略になっているのは確かだとしても、劇中劇を独立した作品として提示する気がない時点で、裏方スタッフの頑張りや家族の仲直りがいかに印象的に演出されたとしても、その結果が最終的に