気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 1958年に「日本美術におけるリアリズム展」を持って行ったアメリカのクリーブランドは、当時もっとも魅力のない都市と言われていた(8年後に行った時にはすでに再開発されて見違えるようになっていた)。しかし、かつて繁栄を遂げていた時期の2つの遺産はまだまだ健在だった。クリーブランド管弦楽団と美術館である。オーケストラの方は正指揮者が定まらないような状況で凋落気味だったが、美術館の方はシャーマン・リーという名館長の指揮の下に選び抜かれたコレクションには定評があり、全米屈指の美術館としての名声を誇っていた。特に作品購入資金は全米一、二という豊富さで、大衆路線をとるニューヨークのメトロポリタン美術館と拮抗する存在であった。街自体は寂れた憂うつな印象を拭え