ずいぶん昔、三代目魚武濱田成夫の「君が前の彼氏とキスした回数なんて俺が3日で抜いてやるぜ」を本屋さんで見かけたときには、 「おお、なんという長いタイトルの本であるか」 と驚いたものでした。それまでは、長い題名(副題を除くよ)というのは、目次に並ぶ作品のひとつではありえても(たとえば、短編作品のタイトル。ポーの「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」とか、スウィフトの「貧家の子女がその両親並びに祖国にとっての重荷となることを防止し、かつ社会に対して有用ならしめんとする方法についての私案」とか)、背表紙に堂々と印字される、本そのものの題名とはなりえない、と漠然と思っていたからです。(まあ、ロビンソン・クルーソーの原題がめんちゃんこ長い、というのは例外として。ちなみに、スウィフトの「貧家の子女~」は人肉ネタ。スウィフトらしいブラックな作品です。) ところが当節、長い題名は大はやり。