報道関係者向け試乗会で公開されたリニア中央新幹線の試験車両「L0系」=10月3日、山梨県都留市のJR東海山梨リニア実験センター(渡辺浩撮影) JR東海のリニア中央新幹線の整備が各地で進んでいる。運行区間の約9割でトンネル内を走行するのが特徴だ。完成すれば、東京、名古屋、大阪の三大都市圏をつなぐ重要な輸送網となるが、実は日本の安全保障面で効果を発揮するとして期待されている。 リニア中央新幹線は、最高時速505キロを実現するため、走行区間はカーブが極めて少ない。直線に近い形でルートを引くことで、東京-名古屋間の距離を東海道新幹線より約50キロ短縮した。このうち、86%に当たる247キロの区間でトンネル内を走行する。深さ40メートルの地中においては、地権者への事前の補償なしに事業者が使用権を設定できる「大深度地下」の認可を受ける。地下に設置される駅までの深さはおよそ20~50メートル。つまり、大